<チリ地震>沿岸の町で死者400人、不明700人 [チリ]

ハイチ大地震も記憶に新しいですが、今度はチリで大地震が起きてしまいました。 チリでの津波の被害も甚大で、がれきの下敷きになった人たちだけでなく、沿岸地域の津波の被害者数がどんどん増えています…。 今回の地震では、日本でも大津波警報が出されたり、大変でしたね。 幸い人的被害はなかったものの、津波による深刻な漁業被害はあったようです。 今回は、自然の力の恐ろしさを改めて感じましたね。 今一度、我が家の防災対策、見直してみます。




<チリ地震>沿岸の町で死者400人、不明700人
(2010年3月2日 毎日新聞)


 【コンスティトゥシオン庭田学】南米チリの大地震で、津波が直撃した沿岸部にある中部の町コンスティトゥシオンに1日昼過ぎ(日本時間2日未明)、入った。海岸付近に建っていた木造の家々は津波で200メートル以上流され、鉄筋コンクリート造りの建物でさえ完全に破壊されている。津波は最大で約30メートルの高さまで押し寄せ、コンスティトゥシオンの死者数は約400人、行方不明者数は約700人とも言われている。

 「ママ、ママ」と泣き叫ぶ2、3歳の男の子を抱え、大学生のマルセーラさん(21)は近くの高台に向かって走った。「誰の子供か分からなかった。でも必死に抱きしめながら走った」

 地震があった2月27日未明、風光明媚(めいび)な観光地でもある町の海岸には、近隣から大勢の若者らが集まり、週末の夜を楽しんでいた。マルセーラさんの家は、目の前に太平洋が広がるレストランやパブ、ディスコの並びにあった。家の後ろは高いがけ。地震の激しい揺れが襲った後、岩が崩れ落ちてきた。レストランやディスコにいた人々は、ほとんどが高台を目指して逃げ出した。最初の津波が押し寄せてきたのは地震発生から約30分後だった。大きな津波は計3回。約3時間続いたという。

 マルセーラさんが住んでいた2階建ての鉄筋コンクリート造りの家は、ほとんど跡形もなく押し流された。海面から約30メートル付近のがけには、津波で打ち上げられた木材などが残っていた。

 太平洋に注ぐマウレ川の河口付近の一帯は津波で洪水のようになった。川に逆流した海水は高さ2メートルにもなり、堤防のない川沿いに建つ木造の家々が押し流され、まるで更地のようになった。川から約300メートル離れた付近の道路は、家屋の残骸(ざんがい)や流された自動車などで埋め尽くされていた。

 一方、地震があった夜、コンスティトゥシオンの沖に浮かぶ二つの島には、毎年恒例の祭りの準備のため近隣から集まった150~200人がキャンプを張っていた。津波が来るかもしれないとボートで逃げようとしたが、ほとんどは間に合わなかった。島に船で助けに向かった人も巻き添えになった。木によじ登るなどして助かったのはわずか6人だけだったという。

 地震の直後、海岸そばに住んでいたモラレスさん(48)夫妻は、息子のアリエルさん(21)に「高い所に行かないとだめだ。津波が来る」と説得され、車で逃げた。家に戻ると、台所も寝室も水につかり、黒い砂に覆われていた。地震後、家の家財が盗まれないように近くに止めた車の中で寝ている。「略奪する人がいる。用心しないといけない」と言って、ジーンズに忍ばせた拳銃を見せた。

タグ:津波 地震

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